2006年 03月 28日
グルメな中学生
b0050623_1822218.jpg阿佐ヶ谷にあるアーケード商店街パールセンターと杉並区役所の近くに阿佐ヶ谷中学校という学校がある。
この学校はホームページなども持っており、googleで「阿佐ヶ谷」と検索すると、9番目にヒットする隠れた人気ページ、のようだ。


その阿佐ヶ谷中学校のホームページから、1月の給食メニューをみると、こんなモノが載っていた。
主食‥「古代のお赤飯」「かきたまうどん」「ミートソースドッグ」「わかめご飯」「スパゲティ・ペスカトーレ」「カツサンド」「麻婆ライス」「みそらーめん」「深川飯」「ポークカレー」「ピザトースト」

おかず‥「カクテキキムチ」「まかじきのゆず味噌かけ」「チーズケーキ」「厚焼き玉子」「フライドポテト」「わかさぎの唐揚げ」「さわらの西京焼」
知らないうちに給食がすごい進化を遂げている。

自分が通っていた頃は、主食と言えば、数種類のパンか、ご飯(もちろん白米)が数日おきに出されると決まっていた。
たまにカレーのときもあったが、単に「カレー」であって、ポークとかビーフとか、そんなチョイスはできなかったものである。

一番驚いたのが、味の付いていないパンや白米が一日たりとも出されないことである。
これらは、給食を残さず食べてもらえるように、かなり綿密に検討された結果のメニュー、なのだろう。

過去の新聞の中で給食に関する記事に、こんなのがあった。
【ほっぺ落ちそう――麦ご飯の牛乳炊き、学校給食で人気。】
1982(昭和57)年10月4日 日本経済新聞 朝刊

麦ご飯を牛乳で炊いた「ミルク・ファイバー・ライス」という新調理法が女性栄養士の手で開発され、全国の学校給食で静かなブームだ。
ピラフ風に炊き上げたこのご飯はビタミンやカルシウムがたっぷりで、栄養学上も折り紙付き。給食ではカレーライスに次ぐ人気で、子供たちは「ほっぺおちご飯」「タケちゃんマンライス」などと呼んで食べている。

この調理法を手がけたのは民間の栄養士で作っている学校食事研究会(阿部裕吉事務局長、東京都千代田区)の主任栄養士豊岡弘子さん(34)。
子供たちに不人気の平べったい麦にかわって、精麦の際に圧力を加えず形も米粒に似た「米粒麦」を利用、牛乳と水の比率を一対一とし、米80%、米粒麦10%前後、それに貝とか野菜の具を入れて炊き上げると、ピラフ風に仕上がる料理。

同研究会はこの新メニューが子供の舌にどう感じるかを、秋田県鹿角郡小坂町立七滝小学校と滋賀県大津市立葛川小・中学校の児童・生徒二百人に試食してもらったところ、「好き」が全体の78%にも達した。各地の米飯献立の調査結果では人気一位のカレーライスのし好率は80―90%。カレーピラフ、チャーハンなどは40―70%で、「ミルク・ファイバー・ライス」の人気の高さを証明した。

子供の健康メニューに頭を悩まし続けてきた学校給食関係者にとって、ご飯をミルクで炊き、食べてもらえることは永年の夢だった。
今度のご飯はファイバー(繊維)が豊富で、最近の子供たちに便秘の傾向が多いだけに健康上の効果も期待でき、豊岡さんは「米粒麦は市販されていて家庭でも手軽に作れるので試してほしい」と言っている。

b0050623_18214768.jpgご飯をミルクで炊く、と言うあたりは、どうにも自分には食べたい料理とは思えないものの、「ミルク・ファイバー・ライス」とは、ネーミングとしてなかなか良いのではないだろうか。

そんな永年の夢を叶えた自信作も、「タケちゃんマンライス」などと全く予想しない呼ばれ方をされてしまっているのが現実でもある。
今だったら「ゴリエライス」とでも呼ばれるのだろうか。
...あんまりおいしそうな料理ではない、ような気がする。

この当時メニューを考えていた方々は、20年経って「みそらーめん」や「古代のお赤飯」が給食に出るとは思っていなかっただろう。

このまま進化し続けると、道場六三郎プロデュース給食とか、吉兆天ぷら懐石給食、などアルコールを一杯引っかけたくなるような給食を出す学校が現れてしまい、ますます中学生の舌が肥えてしまうことになりかねない。

給食グルメの進化によって迷惑を被るのは、晩ご飯に給食を上回るおいしさを求められる家庭の主婦、なのかも知れない。
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by touch-go | 2006-03-28 18:23 | コラム


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