2006年 04月 13日
温泉街で考える地域計画
b0050623_15265780.jpg先日、福島の"飯坂温泉(いいざかおんせん)"に行った。
福島駅からローカル電車に乗って行くと、駅の目の前に温泉街があった。

ローカル線は、トコトコ走って福島駅から20分程度の行程である。高速道路のインターからもさほど遠くないところに位置しており、飯坂は比較的アクセスが良い地理条件にある温泉である。

この温泉街はかつては繁盛していたことを伺わせる、そんな街並みである。

そんな街並みも、1分も歩かずにつぶれた旅館や店舗も多いことに気づく。
これらの廃業した施設は、解体もされずに朽ちて行くのを自然に任せている。

これを見て「ブロークン・ウィンドウ(割れ窓)理論」なる考え方を思い出した。
これは、「割れた窓を放置していると、人の目が及ばない場所であると受け取られ、小さな犯罪を誘いやすく、それがエスカレートしていずれ大きな犯罪につながる」という理論である。

飯坂温泉の街では治安が悪い雰囲気は感じられなかったものの、すっかり寂れてしまった印象はぬぐいきれず、旅人に対して良い印象を与えているとは言い難い。
この客足が遠のいた街並みを見て、さらに客足が遠のくという悪循環を繰り返していそうな感じもする。

廃業した施設のうち、特につぶれた旅館やホテルは不気味ですらある。
宿泊した部屋からは、遠くにつぶれたホテルの建物が見え、なんとも言えない気持ちになってしまったのである。
つぶして更地にするとか、なんとかならないのだろうか。

ところで、温泉そのものは非常に良く、都合4回も温泉につかってしまう、ぐらい良いものであった。
弱アルカリ性でかすかに臭いがする温泉で、地下たったの数十mのところからくみ上げているとのこと。地下1,700mから無理矢理くみ上げている「ラクーア」あたりとは大違いである。
宿泊したところの料理やサービスも、文句の付け所がないものであり、かなりのんびりとさせてもらった。

それだけに街の寂れた雰囲気が残念なのである。
街の繁栄に貢献すべく、ラジウム玉子なる温泉玉子を購入した。
(飯坂の人からは、「もっと高いおみやげなどを買え」、と言われそうだが..)

何が原因で寂れてしまったのか、一見の客には想像も付かないが、数十年前は、寂れるなどとは夢にも思わず、旅館、ホテルや店舗の建設に邁進したのであろう。
数十m掘れば温泉が出る気軽さにつられて、多くの人がやってきたのだろうか。

今で言えば、六本木ヒルズが寂れる、などとは想像が出来ないが、いつか誰も足を運ばなくなる時代、などがやってくるのかも知れない。
地域計画や自治というのは難しいモノである...

バブル的な景気には左右されないように生きていこうと、帰りのローカル線で思うのであった。
[PR]

by touch-go | 2006-04-13 15:27 | コラム


<< ハイテクなラブホテル      ときどきセコイ阿佐ヶ谷 >>