2006年 08月 05日
スイスの公共交通事情(スイス旅行記④)
スイスで個人旅行をする多くの人がお世話になるであろう、公共交通について、気がついたことをつづってみたい。

b0050623_14534738.jpgスイスの鉄道は、よく言われているように時間に正確だった。
ピラトゥス山の麓のアルプナッハシュタット(Alpnachstad)駅でのこと、周りをふらふらしていたところ、駅に列車が入ってきてしまった。列車の時間を2分ほど勘違いしてしまっていたのだ。
いそいでホームへ向かったものの、1秒も待ってくれず、目の前でゆっくりと列車は動き出してしまった。
ローカル列車であり、車掌が乗っていないから遅れてやってきた乗客には気がつかなかったのだろうが、時間に正確であることに感心もした。

と、言うことでローカル列車などでは、車掌は乗車していない。
不正防止のため、ときどき取り締まり担当者がやって来て、切符を持っていないと理由を問わず罰金80フランが請求されるとのこと。
これは、都市部のバスやトラム(路面電車)でも同様で、各停留所に切符の販売機が置いてあるため、乗り降りをどの扉からしても良い、と言う仕組みになっている。
こうした利用しやすい理由からなのか、どこの街でもバス・トラムの利用率は総じて高く、都営バスの閑散とした状況と比べると、雲泥の差である。

ちなみに、今回の旅行中では、十数回ローカル列車やバス・トラムを利用したが、取り締まりをしている場面には遭遇しなかった。

前に、ライゼゲペック(Reisegepack)と言う荷物の託送が便利であると言うことを書いたが、列車への積み込みや荷下ろしが気にならなければ、ライゼゲペックを利用しなくてもなんとかなる。
インターレギオ(InterRegio)と呼ばれる地域快速以上のクラスの列車になると、車両に大きな荷物置き場があるからだ。
また、これ以外にもスイスの列車はローカルを含めて、ほとんどが自転車を持ち込むことが可能であり、この自転車置き場にスーツケースなどの荷物を置くことも可能である。
ローカル列車の中には、自転車置き場のない列車もあるが、こうした列車はガラガラであることが多く、空いている区画に堂々とスーツケースでも置いておける。
実際、欧米系の旅行者は荷物置き場にどでかい荷物を置いているケースがよく見られた。

b0050623_14542576.jpgまた、今回の旅行では、奮発して1等車用のスイスパスを購入した。
1等車のメリットは、座席にゆとりがあることである。
これに加えて1等車では、かならずどこかの座席が空いていたので、乗車前に座席の心配しなくても良いと言うのも大きなメリットであった。
デメリットと言えば、1等車は若干"上品"であり、騒がしくできない面があり、列車によっては人がほとんど乗っていないため"寂しい"場合もあったことである。

とはいえ、日本人にとっては2等でも十分座席にゆとりがあるので、地元の人たちでにぎわっている2等車を積極的に選ぶと言うのも"有り"であろう。
相席になって、地元の人と話をする、と言うのも楽しいモノだと思う。

スイスは山地が多く、鉄道もバスもかなりの坂道を進んで行く。鉄道の場合は、ユングフラウヨッホ(Jungfraujoch)に至る鉄道など、ラックレールという歯車をかみ合わせてグイグイ上っていく仕組みも至るところで見られた。

ラックレールの力を借りずに、70パーミル(1km進むごとに70m高度を増す)というかなりの坂道を力業で登り、その景色が売り物となっている路線(MOB:モントルー・オーベルラン・ベルノア鉄道(Compagnie du chemin de fer Montreux-Oberland bernois))もある。

インターラーケン(Interlaken)からローザンヌ(Lausanne)への移動に際して、このMOBの目玉列車、「ゴールデンパス・パノラミック(GoldenPass Panoramic)」に期せずして乗車することになった。

本来は、ローカル列車に乗って窓を開けてこの区間(ゴールデンパスライン(GoldenPass)と呼ばれる)を楽しむ予定であったのだが、(本来乗りたかった列車に乗り遅れてしまい)ローカルではない方に乗ることになったのである。

b0050623_1455750.jpgこのゴールデンパス・パノラミックは、"予約が望ましい"列車とのことで、どのガイドブックやサイトを見ても「予約をしなさい」と書かれているので、予約をしていない自分は不安な気持ちで向かったのである。

ツヴァイジンメン(Zweisimmen)でこの列車に乗り込むと、スイスでは、指定席は端から順番に発券されるようで、1等車である1号車、2号車はぎゅうぎゅう詰めである。ところが、同じ1等車である3号車に乗ると、ガラガラの貸し切り状態である。
偶然、この日は予約が入っていなかったのかも知れないが、終始ゆったりと列車の旅をすることが出来た(ものの、本当は窓が開けられるローカルの方が良かった)。

これ以外にも、ルツェルン(Luzern)からインターラーケン(Interlaken)までのパノラマ車両も、座席の予約をしなくても余裕で座ることが出来た。

ドイツ語圏からフランス語圏へ向かう列車は、車内放送もドイツ語からフランス語に変わる。主要な駅では、ドイツ語、フランス語、英語の3カ国語の放送もある。
日本でも、中野から先は英語で放送されたりすると、みんなマルチリンガルになるんだろうなぁ、などと、帰国後の中央線で思うのであった。
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by touch-go | 2006-08-05 14:55 | コラム


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