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2006年 02月 27日
気を遣う映画
b0050623_20232579.jpg先日、映画を見に行った。
何の気なしに懸賞に応募したら、タダ券が当ったのだ。

「産経新聞社」の封筒に入って送られてきたものの、何の懸賞に応募したのかすら思い出せない。
封筒を開けると
『中井貴一主演、高杉良原作「燃ゆるとき」』
のチケットが入っている。

チケットでは、中井貴一がアメリカ国旗の前で渋い表情を浮かべている。

WEBサイトで、どんな映画なのか調べると..
経済小説の名手 高杉良のベストセラー待望の映画化!

東輝水産カリフォルニア工場の再生を図るべく、単身渡米した営業マン・川森。営業担当や工場長など現地人チームと対立を繰り返しながら新製品の開発に成功するが、信頼していた部下に裏切られ、窮地に陥る。

【見どころ】
海外進出を果たした食品会社の実話に基づく、骨太なドラマ。カップ麺で米国の市場と戦った男たちの偉大なる軌跡を、中井貴一ら実力派俳優の共演で描き出す。
などと書かれている。

「骨太」「偉大」「実力派」など、若干B級テイストなニオイがただよっている...

b0050623_20242378.jpg近くでは新宿の映画館で上映中とのことで、定期券の範囲内でもあり、レンタルビデオを借りる、気分で見に行った。

事前に伊勢丹のデパ地下をうろつくと、目黒の五十番や日暮里の北島商店やらが出店を構えている。
「五十番」は、神楽坂の五十番の分家で、でかい肉まんで有名であり、「北島」の方はあの「チョ~気持ちいい」で有名な水泳の北島選手の実家が営む精肉店である。

夕方と言うこともあり、五十番で「五目肉まん」と、北島から「メンチカツ」をチョイスして、いざ映画館へ向かった。

ここで、映画館に入ってびっくりした。
小さい、のである。
おそらく60人も入れば満杯になるであろう、中会議室並の広さの部屋に、プラズマディスプレイ4つ分ぐらいのスクリーンがある。
大きければ良い、と言うものではないし、いわゆる単館系と呼ばれる小さな映画館も好きであるが、新宿でこのような映画館があるとは思っていなかった。

チケットをチェックする係員もなんだか無愛想である。
座席の傾斜も緩やかで、背が高いワタクシは、後ろの人におもいっきりジャマになってしまいそうだ。二人連れの人もいるのだが、なぜだか会話をしておらず、シーンとした厳粛な雰囲気に包まれている...

と、なんだか、そわそわしながら開演を迎えたのである。

まわりも暗くなったので、さっそく「五目肉まん」を食い始めた...のだが、五目の香ばしいニオイが"中会議室"に充満し始めている。

これは、マズイ状況になってきた。
画面ではカップラーメンの新作を食べくらべるようなシーンが映し出されている。

早いところ、ニオイの発生源である五目肉まんを食べ終えたいのだが、五十番の肉まんはとにかくでかい。ホームページによると直径15cm×高さ8cmだと言う。

そうこうするうちに、3つ左の席に座っている男性のお腹のあたりから「グゥ~」と言う音が断続的に聞こえるようになってきてしまっている。

せっかく五十番の肉まんを食べているのに、味わう余裕もなく、なんとか食べ終えることができた。

b0050623_20272064.jpg画面を見ると、チキン&レモン味ラーメンなる、またまた新商品を売り歩くキャンペーン、などが映し出されている。
やめれば良いのに、ここでワタクシはメンチカツに手を出してしまった。メンチカツは、ニオイを発生させる食べ物ではない、と判断したためである。

と、メンチをかじりつくと、ちょうど中井貴一らがシリアスなシーンに突入した静寂の中、「カリッ」と言う音が館内に響いてしまった。

北島のメンチカツは、カリッと揚がっていて美味い、と言うことが証明されたのだが、これも味わう余裕がなかった。
(メンチカツは4個入りであったが、これ以上まわりに迷惑をかける訳にはいかないので、持って帰ることにした。)

肉まんやメンチカツを持ち込んでおいて言えるセリフではないが、なんだかどっと疲れてしまったのである。

さて、肝心の映画のストーリー方だが、びっくりするぐらい「ベタ」な話であった。
危機が幾度と訪れては中井貴一が解決し、最初は敵対していた同僚から認められて行く...

作者である高杉良が映画化にこだわり大枚をはたいて作った映画、のような気がする。

新宿で緊張しながら見る映画ではなく、家で肉まんを思う存分頬張りながら見る、のに適した映画、と言ったところだろうか。

終始むっつりしていた客層も、半分は(この話の対象となった)東洋水産の出入りの業者、あたりなのではないだろうか、などと考えながら、さっさと家に帰ってメンチカツを思う存分食べたのであった。
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by touch-go | 2006-02-27 20:28 | コラム